しおりのおかねのはなし

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【上級国民/下級国民】を読んで

 

橘玲さん著書の【上級国民/下級国民】を読みました。

読書メモです。 

 

 

 

 

上級国民/下級国民という言葉

 

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まず、今更ながらですが”上級国民/下級国民”とはいつから出てきた言葉なのかです。

 

ことの始まりは2015年にオリンピックのエンブレム問題が起きたときのようです。問題のエンブレムを選出した専門家が「専門家の間では十分に分かり合えるんだけれども、一般国民にはわかりにくい、残念ながらわかりにくいですね」などと発言したらしいです。それが「素人は口答えするな」と上からの発言に聞こえる!となり、

→専門家/非専門家

→上級国民/一般国民

になりました。

本のまえがきにも記載がありましたが、しおりも”上級国民”という言葉を初めて知ったのは、GWだったか夏休みの祝日に海外旅行へ行く方のインタビューに対してのコメントで見たのが初めてでした。確かに混むとわかっているこの時期にお金のかかる祝日をはさんで旅行に行くってすごいなぁと思いました。

 

”下級国民”という言葉が上級国民と対になってはっきり出てきたのは2019年4月に池袋で起きた事故と、その2日後に神戸で起きたバスの事故です。両方とも2つの命が亡くなってしまいました。

池袋で起きた事故の87歳・元高級官僚の加害者は事故で骨折し入院したためになかなか逮捕に進みませんでしたが、神戸のバス運転手の加害者は現行犯逮捕されました。

このなかなか逮捕に進めない状態が、元高級官僚は上級国民だから逮捕されないのか?バス運転手は下級国民だから現行犯逮捕だったのか?とネット上で話が進んでいき[上級国民/下級国民]という言葉ができたようです。

 

 

読書メモ

 

 

 目次

 

まえがき

■「下級国民」の誕生

・平成で起きたこと

・令和で起きること

■「モテ」と「非モテ」の分断

・日本のアンダークラス

・「モテ」と「非モテ」の進化論

■世界を揺るがす「上級/下級」の分断

・リベラル化する世界

・「リバタニア」と「ドメスティックス」

エピローグ 知識社会の終わり 

 

メモ

 

今回本を読んでみて、いくつか気になったとことを引用して、思ったことをメモしてみました。  

 

〇「下級国民」の誕生/平成で起きたこと から

日本のサラリーマンは世界(主要先進国)でいちばん仕事が嫌いで会社を憎んでいるが、世界でいちばん長時間労働しており、それにもかかわらず世界でいちばん労働生産性が低い

 この文章を読んで急に思い出したのですが、社会人として働いていた時に何回か言われた違和感のある言葉があります。
「最近の人は3年くらいで辞めちゃう人が多い、君はえらいね」
これは部署が違うあまり面識のない年輩の方に何回か言われたことがありました。しおりのしていた仕事内容は流動性がある方だったと思います。
すごく違和感を感じていました。なんで同じところで働き続けることがえらいのだろう?辞めるのは様々な理由があると思います。この言葉を聞くと「こんな会社によくいるね」とも聞こえてきませんか?しおりの性格が悪いのかな?でも”えらい”と言われて一度もうれしいと思ったことのない”えらい”でした。引用した文章を読んだとき、あの言葉はこのサラリーマンがいいそうな気がしてしまいました。

 

 〇「下級国民」の誕生 /令和で起きること から

「平成が『団塊の世代の雇用(正社員の既得権)を守る』ための30年だったとするならば、令和の前半は『団塊の世代の年金を守るため』の20年になる以外にありません。

 日本の人口ピラミッドからみても令和の前半は確かにこうなりそうですよね...なんかずーんってきます。私たちの世代は税金は納めるけど年金は...「自分たちのことは自分たちでなんとかして」の世代ですよね。かなり前からわかっています、わかってるけどはっきり言われちゃった。もう覚悟してね、ってことでしょう。

 

〇世界を揺るがす「上級/下級」の分断/「リバタニア」と「ドメスティックス」 から

「自分の好きなように生きる」という人生観において、ヤンキーとエリートはよく似ているのです。

 性別と学歴によって自由主義的な価値観、ここでは「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」という考えがどれほど支持されているのかグラフをもとに比較されていました。中学・高校・専門・短大/高専・四大・大学院卒とそれぞれ別れていて、女性の場合は学歴が高くなるにつれて支持する人が右肩下がりなのに対して、男性は中卒が最も高くその次は院卒で、グラフがVの字になっています。これは日本だけのことではないようです。

へぇーっという感じです。でも中卒と院卒というより、ヤンキーとエリートと書かれていると言うことは、学歴というより"自由"に向かってどこまでも突っ走っていける熱量の高さが似ているってことでしょうか。

 

それ以外にもベーシックインカムに関する橘さんの考えが書かれていて面白かったです。

 

 

本を読んで

 

大人になるにつれて上級下級以前に中間層にいるのって難しいことだとわかりました。そもそも中間層ってなに?状態です。

これから分断がどんどん進んでいくようです。本を読んでどよーんとしたけど、いい勉強になりました。情報を取捨選択してちゃんと必要なものをすぐに取り入れられるようにしておかないとなあ。取捨取捨するにはやっぱり優先順位が自身の中で決まっていることが大事。困った時に自分でどうにかできるようにしておかないといけない、結局自分次第だな。がんばろう。

おわり

 

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